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【旅する腕時計 Vol.6】茨城

旅する腕時計、関東地方までやってきました。
「47デザインするて我ながら無謀か。あほなのか。本職じゃないのに、なんで自分は毎回シリーズものをやりたがるのか…」と思ってましたが、風土や名物を活かして表現しているので意外と進捗出てます。
でも近日中に詰む予感はしている。大丈夫、何かしら作る現場ではネタがない>迫る入稿デッドor会議>脳死(そしてメンタルの壊死)>なんらかの超越(からの回帰と悟り)なのもセットだろう? うん知ってるorz

実際に着用する腕時計というと、12ヶ月の誕生石シリーズのようなシンプルなインデックスや秋田県デザインのようにロゴをあしらうというのが定番です。
ですが、弊社の腕時計は丸ごと自由にデザインできる点と、オリジナル腕時計の可能性や表現領域を知ってもらいたいということもあり、あえて遊んだりはずしたデザインでお届けしています。
ショールームではウェブ上に掲載していない実績も数多くありますので、ご興味のある方はどうぞお気軽にお越しくださいませ。
※ショールームご来訪前には事前のご連絡をいただくと、よりスムーズなご案内が可能です。

さて、関東圏は茨城からです。皆さん、いばらぎじゃないですよ。いばらきです。濁音ではありません。まずはそこから正したい。
ここ数年、魅力度全国ワースト1位に君臨していますが「むしろ中間に埋もれてしまうより潔い」とは同県出身の父のコメントです。確かに某ケンミン番組みてると、むしろワースト1位ってポジション的に美味しいでしょう。

そして名所と名物はこちらをどうぞ。
梅花で有名な偕楽園。
軍神 タケミカヅチを祀る鹿島神宮。
全長120mという世界一の大きさを誇る牛久大仏。
ガルパンと鮟鱇の聖地こと大洗。
自由な作風でクリエイティブを応援する笠間。
日本の技術研究の最前線 学園都市つくば。
取りあえず浴びたいアルコールの代表格、アサヒビール茨城工場。
柔らかな風合いを着て育てる重要無形文化財の結城紬。
素朴な甘さが美味しい干し芋。
日本の食文化を醸し続けて幾星霜 白飯の相棒 納豆。
贅沢が叶うなら二つ割でいただきたい高級フルーツの代表格! メロン。
きんぴら、てんぷら、さっぱり酢バスに蓮根。
段々と迫り来るマイナスイオン袋田の滝。
紅葉の美しい永源寺 などなど。

どうですか、魅力ありまくりじゃないですか…!?
観光地然とした華やかさというよりも、普段着の着物である結城紬や「特徴がないのが特徴」とまで言わしめる笠間焼きのように、生活に寄り添う自然と食の宝庫ではないでしょうか。

ワタクシのおすすめは袋田の滝、結城紬について見学のできる つむぎの館です。
袋田の滝は落差や水量が荘厳ですごい! というのではなく、あの段になって迫ってくるのがなんとも言えず風情があるのですよ。間近で見られる瀑布ながら、季節によって変化する木々を額縁にきれいな一枚絵のようです。

つむぎの館は新人の頃に職場でお伺いしました。
全てが手作業で織られる絹布のため、大変な手間がかかります。そのためお値段もとても高価。着ていくごとに馴染んで光沢が生まれる独特の生地は、まさに職人の技術の粋というべき逸品です。
こちらは手入れの行き届いた広いお庭と、木のぬくもりあふれる日本家屋でその歴史や工程を学べます。一部の建物は国の有形登録文化財。
紬素材を利用した和小物や、紬うどんなどのお土産もあります。
当時の私は家族にうどんを買って帰りました。

そしておいしいものといえば干し芋ですね~。割と最近までスルーしていましたが、今ではすっかり好物に。
お安いものだと海外が産地のものもありますが、茨城の干し芋は甘くてモッチモチです。
特に丸干しタイプのものだと、糖分が粉となって表面につき平たいタイプよりもモチモチ感が楽しめます。
ついつい手が出てしまう素朴でニクイアンチクショウ、それが茨城の干し芋。
原料となるサツマイモの種類によって風味が違うそうなので、食べ比べも楽しいかもしれません。あと軽くあぶってバターつけると至高という記事を見つけ、やるしかないな…と。
バター、それは飲食におけるパワーワードです。

あとは方言。色々ありますが有名なのは語尾に「~~だっぺ」と付くところでしょうか。
父が同級生と話していると、いつの間にかイントネーションも茨城弁に戻っているんです(笑)。郷里に帰ってきてほっとするのか、ごくごく自然にしゃべってるんですよね。


腕時計のデザインは紬をイメージした文字盤です。インデックスは敢えて特殊なフォントで、完全な和のイメージにならないようにしました。
文字盤色が控えめなので、和装・洋装問わず使っていただきたいイメージです。

最後に。
祖母宅への帰省は面白くありませんでした。
帰省する先はエアコンすらない古い日本家屋だし、裏口の土間にはポンプ式の井戸に洗濯機、ずらっと並ぶ標本じみた梅干の瓶。縁の下に埋葬されかかったような謎の角材と、入ってくると頭に刺さる庭の松。
こやつが地味に痛い。

夏は暑くてムヒだかキンカンだかを握り締めて蚊との格闘(かゆい!)、冬はとにっかく寒く(布団入ってもしばし震えるくらい冷えてる)、薄暗い廊下のトイレもお風呂も怖い!というテンプレさです。
台所脇の離れとか中学生くらいになるまで入りたくなかったわぁ…。

さらに出てくる料理はきんぴらと味噌汁と何か、という小さい子どもには大して嬉しくないメニューばっかりで(笑)。それが数日続くんです。
しかも父方の祖母は厳しいんですよ、何かにつけて「おんなっこだから手伝え」といわれ、座ったまま何もしなくても文句をいわれない弟たちを恨めしく思っていましたね~。
遊ぶ場所も特にナシ、コンビニもほどほど遠い、点いてるテレビも相撲とニュースばかり。
母方の祖母宅は真逆(孫を猫かわいがりするタイプ)だったので、余計にそのギャップもあったと思います。

それでも楽しみはあって、父の同級生で、近代的な2階建ての幼馴染宅に避難もとい遊びに行くのが好きでした。ゲームとかエアコンあって快適なんですよ。漫画もたくさんあったね。あとは近所のホームセンターで時間つぶしたり少し歩いて駄菓子屋で買い物をしたのも懐かしいですね…!

高校生くらいになるとなんやかんや理由をつけて家族行事をサボることも覚えました。
年とった祖母の繰言にも内心苛々していました。嫌な孫娘です(笑)。

祖母は他界してもう何年も経ちます。葬儀以来私は何年もおばあちゃんちに行っていませんし、墓参りにもほとんど行っていません。家族の中でも罰当たりナンバーワンです。もし枕元に立たれたら弁明の余地がありません。
それと野暮ったいほど鍋に拵えられたあの油っぽくて甘いきんぴらは、母も私にも誰も作れません。何でか気取った味になります。

私、帰省という幼少イベントにおいて楽しい思い出がない(笑)!
それでも昭和の家庭にあったような当たり前の厳しさを、今になってありがたく思います。ここで男女のジェンダーを肯定も糾弾もするつもりはありませんが、かつての祖母が言いつけた「おんなっこだから」は、自分の礎にもなっている気がします。

さて、皆さんはどこへどんな故郷をお持ちですか?