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オリジナル腕時計製作 

腕時計の『顔』である文字盤をカスタマイズしよう

自分でデザインしたものが実物になる。
世界でひとつだけのアイテムが完成するのは、夢があってとってもわくわくしますよね。
今回は、クリエイティブな気持ちを刺激する文字盤への印刷方法4種と文字盤の特徴
ついてのご紹介です。

腕時計にも『顔』がある

腕時計の文字盤は、別名『ダイアル』『フェイス』とも呼ばれています。
様々なサイズに加え、控えめなデザインや、内部の機構を見せてその精巧さを
アピールするなど、腕時計の個性や印象を決めるまさに『顔』ともいえる重要なパーツですよね。
同じモデルやバンドでも文字盤が変わるだけでその印象は大きく異なります。

プレミア感を演出、文字盤の素材と彫刻

文字盤の素材は様々ですが、有名なものだと以下のようなものが挙げられます。

《文字盤の素材一例》
①真鍮
②貝の真珠層
③金やプラチナ、石などの特殊な素材

1、真鍮素材

い

一番多いのは真鍮素材です。真鍮という銅と亜鉛の合金で、
黄銅とも呼ばれています。
真鍮は程よい強度と加工の容易さ、金に似た輝きがあるため
様々なところで活躍しています。
お財布をのぞいて、五円玉が入っていたらそれは真鍮。
そんな真鍮素材の上にメッキ加工や、塗料を塗布したものが
最もスタンダードな文字盤といえるでしょう。
中には塗料などを用いずに、素材の金色を活かすため磨いたままのものもあります。

2、貝の真珠層

う

次いでよく見かけるのは、シェル素材です。
これは貝殻の内側(真珠層)部分を加工したものです。MOP(Mother Of Pearl)とも。
白蝶貝の殻を薄くスライスした後、コーティング処理を施してから文字盤素材に貼り付けます。
天然素材ならではの柔らかな光沢とまだら模様が特徴といえますね。
これらはひとつとしておなじ物はなく、腕時計になっても螺鈿細工や宝石のような
上品な美しさを演出してくれます。

3、金やプラチナ、石などの特殊な素材

高級なモデルになると、文字盤の素材に金やプラチナなどの貴金属や貴石(宝石)など
が用いられることもあります。
そんな文字盤装飾の多くは、研磨やペイントが中心ですが
中には大変手間のかかる手法で作られるものも存在します。

■琺瑯(ほうろう)
ガラス質の釉薬を金属の焼き付ける手法。琺瑯文字盤は職人がひとつひとつに釉薬を
かける手間や、ガラス質部分が欠けないようにしなくてはならないため、大変手間のかかる
文字盤といえます。一方で陶器という素材は、数十年を経ても色あせないため、
その美しさを長く保てるのが魅力といえるでしょう。
■クロワゾネ(cloisonne)
フランス語の七宝焼きのことです。金属板の上に金の輪郭線で模様を縁取り、
その中にガラス質の彩色を施し焼成するもの。細やかな表現が可能ですが、高度な技術が
必要です。
■アプライドインデックス(Applied Index)
時を示す数値やマークを文字盤に立体的に表現したもの。
プリントよりも立体的にインデックスを表現できます。高級なものだと、くさび状のパーツを文字盤の裏側から固定する方法と、文字盤に貼り付けるだけ簡易仕様の2パターンがあります。
■ギョーシェ彫り(guilloch)
インデックス(時計の数字や点)の視認性を高めるため、精緻な模様を規則正しく
掘り込む技法です。
■サンレイ彫り(Sun Ray)
その名の通り太陽光(Sun Ray)を由来にもつ技法で、文字盤の中央から放射線状に広がる
模様を掘り込みます。金属素材を磨いてこのような表現を行う場合も。

 

文字盤のデザインを際立たせる4つの印刷方法

文字盤の素材や加工方法は多岐にわたりますが、ここではオリジナル腕時計にできる
カスタマイズ方法をご紹介します。
デザインやイメージに合せて印刷方法を組み合わせることで、
よりオリジナリティの高い腕時計にカスタマイズできますよ。

《印刷方法とその特徴》

■インクジェット印刷

素材(文字盤)に、CMYKの4色のインクを吹き付けて作成する、フルカラーでの印刷方法です。
写真やイラストなど、カラフルな表現方法や4色以上のデザインにおすすめ

「CMYKって何だろう」と疑問に感じている方もいるかと思いますので、簡単にRGBとCMYKの違いについてご説明しましょう。RGBもCMYKも、すべて基本となる色の名前の頭文字を取っています。
RはRed(赤)、GはGreen(緑)、BはBlue(青)を表し、この3色を組み合わせて色彩を表現する方法です。液晶テレビやデジタルモニターがこの方法を採用しており、ライトの発光を利用して色彩を表現します。一方CMYKは、CはCyan(シアン)、MはMagenta(マゼンダ)、YはYellow(黄)、KはKey Plate(キープレートといい、輪郭などを表現するためのもの)の3色とかつての版を表すKの頭文字を取ったものです。
ただCMYKのKいえば、現在その多くは黒を指すと捉えてもらって問題ないでしょう。

これらの違いを踏まえた上で、デザイン入稿時はモニター上のRGBで色調の確認を行いますが実際の印刷ではCMYKを用いるため、出来上がった腕時計の色味がデザインデータと同一ではないこともあるため、注意が必要です。

■シルク印刷

え

布の網目を利用した印刷方法です。
素材(文字盤)の上にシルクの版をセットし、その上からインクをのせてヘラでなでるように印刷していきます。
1回1回手作業でインクをのせて刷るため、手間と時間がかかりますが
インクジェット印刷よりも鮮明に再現できるのが特徴ですね。
単色での表現に向いた印刷方法です。

■UPニッケル印刷

え

印刷したいデザイン部分をごく薄い金属で制作し、文字盤に転写する印刷方法です。
転写のズレが出ないよう、慎重で繊細な作業が求められます。
その仕上がりは印刷部分にわずかな厚みと光沢があるため、高級感と重厚さを表現するのに向いています。

■蓄光塗料

その名の通り、光を蓄えて暗いところで発光するインクです。
インク色は白とライムグリーンの2色で、白いインクの方がライムグリーンのインクよりも
やや強く発光する特徴があります。
印刷の際には、シルク印刷と同様の手法が用いられます。

ちょい足しで楽しむ文字盤へのカスタマイズ

デザインによってはシルク印刷を基本とし、ロゴ部分にはUPニッケル印刷を施し、
プレミア感を演出するのもおすすめですよ。
また、シンプルな文字盤デザインにワンポイントでスワロスキーストーンを施すことで、
さりげないながらも個性的なモデルにカスタマイズ可能です。

お

また、以前製作させて頂いたオリジナル腕時計では、日本の伝統工芸でもある紬生地を活かし
これらを文字盤部分に貼付するという、ユニークな製作実績もあります。
このように販売されてないユニークなデザインモデルを製作できるのは、
オリジナル腕時計製作ならではの醍醐味といえるでしょう。

印刷で広がる! 世界にひとつだけのオリジナル文字盤

ここまで様々な文字盤の一例を紹介してきましたが、予算や製作期間を考えると
中々難しいもの。それでも印刷方法を変えるだけで、デザインの幅ってぐんと広げられます。

たとえばシンプルなデザインには単色が鮮明なシルク印刷、
華やかでカラフルなデザインには、コストの面も考慮してインクジェット印刷、
高級感を表現したいときには光沢のあるUPニッケル印刷を…というように、
表現したいデザインに合せて印刷方法を変えることがポイントです。

世界にひとつだけのオリジナル腕時計、文字盤の素材や印刷方法にこだわって
もっとクリエイティブに楽しんでみませんか。