オリジナル腕時計は文字盤からー印刷方法や素材の違いー

腕時計の文字盤は、別名『ダイアル』『フェイス』とも呼ばれています。

様々なサイズに加え、控えめなデザインや、内部の機構を見せてその精巧さをアピールするなど、腕時計の個性や印象を決めるまさに『顔』ともいえる重要なパーツですよね。

同じモデルやバンドでも文字盤が変わるだけでその印象は大きく異なります。

オリジナル腕時計をスムーズに発注するためには、あらかじめ注文に必要な事柄を決めておく必要があります。発注時に役立つ、発注方法から納品までの基本的な流れをご紹介します。

◆1. 目的を決める

最初に創立記念や卒業記念、販促ノベルティ、チームグッズなど、記念品を贈る目的を決定しましょう。

◆2. 数量を決める

発注するときには、事前に注文する数量を決めておきます。

メーカーによっては小ロットに対応していないところがあるので、早めに数量を確認しておかないと、後から注文数量が満たないことに気づいて発注できないケースもあるかもしれません。

◆3. デザインのイメージを考える

オリジナル腕時計の注文では、セミオーダーのデザインで注文するケースが一般的です。

文字盤の種類、デザインのパターン、ベルトの素材などを数種類の中から選んでカスタマイズするだけで簡単にデザインを決められます。

針や秒針、裏蓋のデザインなどを細かく指定できる場合もあるので、デザインにこだわりたいときにはよく確認しましょう。

社内にデザイナーがいないからデザインを決めるのが難しいという場合には、メーカー側のデザイナーに相談すると安心です。

◆4. 納期と見積もり金額を確認する

オリジナル腕時計のデザインによっては、納期まで時間がかかったり予算が高額になったりします。

デザインを決めたらまずは見積もりを出してもらって、注文できるかどうかよく検討してください。

◆5. 正式に注文する

見積もりを確認して内容に納得したら、正式に注文の手続きを行います。

一度正式に注文した後からは、変更ができません。

正式な発注前には念入りに打ち合わせをしておきましょう。

◆6. 製作が終わり次第、納品

事前に決定していた納品日までに製品が作られ、納品されます。

◆1. 真鍮素材

一番多いのは真鍮素材です。真鍮という銅と亜鉛の合金で、黄銅とも呼ばれています。

真鍮は程よい強度と加工の容易さ、金に似た輝きがあるため様々なところで活躍しています。お財布をのぞいて、五円玉が入っていたらそれは真鍮です。

そんな真鍮素材の上にメッキ加工や、塗料を塗布した物が最もスタンダードな文字盤といえるでしょう。

中には塗料などを用いずに、素材の金色を活かすため磨いたままの物もあります。

◆2. 貝の真珠層

次いでよく見かけるのは、シェル素材です。

これは貝殻の内側(真珠層)部分を加工した物です。MOP(Mother Of Pearl)とも。

白蝶貝の殻を薄くスライスした後、コーティング処理を施してから文字盤素材に貼り付けます。天然素材ならではの柔らかな光沢とまだら模様が特徴といえます。

これらはひとつとして同じ物はなく、腕時計になっても螺鈿細工や宝石のような上品な美しさを演出してくれます。

高級なモデルになると、文字盤の素材に金やプラチナなどの貴金属や貴石(宝石)などが用いられることもあります。 そんな文字盤装飾の多くは、研磨やペイントが中心ですが中には大変手間のかかる手法で作られるものも存在します。

■琺瑯(ほうろう)

ガラス質の釉薬を金属の焼き付ける手法。琺瑯文字盤は職人がひとつひとつに釉薬をかける手間や、ガラス質部分が欠けないようにしなくてはならないため、大変手間のかかる文字盤といえます。一方で陶器という素材は、数十年を経ても色あせないため、その美しさを長く保てるのが魅力といえるでしょう。

■クロワゾネ(cloisonne)

フランス語の七宝焼きのことです。金属板の上に金の輪郭線で模様を縁取り、その中にガラス質の彩色を施し焼成する物。細やかな表現が可能ですが、高度な技術が必要です。

■アプライドインデックス(Applied Index)

時(とき)を示す数値やマークを文字盤に立体的に表現したもの。

プリントよりも立体的にインデックスを表現できます。高級な物だと、くさび状のパーツを文字盤の裏側から固定する方法と、文字盤に貼り付けるだけ簡易仕様の2パターンがあります。

■ギョーシェ彫り(Guilloche)

インデックス(時計の数字や点)の視認性を高めるため、精緻な模様を規則正しく掘り込む技法です。

■サンレイ彫り(Sun Ray)

その名の通り太陽光(Sun Ray)を由来にもつ技法で、文字盤の中央から放射線状に広がる模様を掘り込みます。金属素材を磨いてこのような表現を行う場合も。

文字盤の素材や加工方法は多岐にわたりますが、ここではオリジナル腕時計にできるカスタマイズ方法をご紹介します。

デザインやイメージに合せて印刷方法を組み合わせることで、よりオリジナリティの高い腕時計にカスタマイズできます。

◆インクジェット印刷

素材(文字盤)に、CMYKの4色のインクを吹き付けて作成する、フルカラーでの印刷方法です。

写真やイラストなど、カラフルな表現方法や4色以上のデザインにおすすめ。

「CMYKって何だろう」と疑問に感じている方もいるかと思いますので、簡単にRGBとCMYKの違いについてご説明しましょう。RGBもCMYKも、すべて基本となる色の名前の頭文字を取っています。

RはRed(赤)、GはGreen(緑)、BはBlue(青)を表し、この3色を組み合わせて色彩を表現する方法です。液晶テレビやデジタルモニターがこの方法を採用しており、ライトの発光を利用して色彩を表現します。一方CMYKは、CはCyan(シアン)、MはMagenta(マゼンダ)、YはYellow(黄)、KはKey Plate(キープレートといい、輪郭などを表現するためのもの)の3色とかつての版を表すKの頭文字を取ったものです。

ただCMYKのKいえば、現在その多くは黒を指すと捉えてもらって問題ないでしょう。

これらの違いを踏まえた上で、デザイン入稿時はモニター上のRGBで色調の確認を行いますが実際の印刷ではCMYKを用いるため、出来上がったオリジナル腕時計の色味がデザインデータと同一ではないこともあるため、注意が必要です。

◆シルク印刷

布の網目を利用した印刷方法です。

素材(文字盤)の上にシルクの版をセットし、その上からインクをのせてヘラでなでるように印刷していきます。

1回1回手作業でインクをのせて刷るため、手間と時間がかかりますがインクジェット印刷よりも鮮明に再現できるのが特徴です。単色での表現に向いた印刷方法です。

◆UPニッケル印刷

印刷したいデザイン部分をごく薄い金属で制作し、文字盤に転写する印刷方法です。転写のズレが出ないよう、慎重で繊細な作業が求められます。

その仕上がりは印刷部分にわずかな厚みと光沢があるため、高級感と重厚さを表現するのに向いています。

◆蓄光塗料

その名の通り、光を蓄えて暗いところで発光するインクです。

インク色は白とライムグリーンの2色で、白いインクの方がライムグリーンのインクよりもやや強く発光する特徴があります。

印刷の際には、シルク印刷と同様の手法が用いられます。

デザインによってはシルク印刷を基本とし、ロゴ部分にはUPニッケル印刷を施し、プレミア感を演出するのもおすすめです。

また、シンプルな文字盤デザインにワンポイントでスワロスキーストーンを施すことで、さりげないながらも個性的なモデルにカスタマイズ可能です。

以前製作させて頂いたオリジナル腕時計では、日本の伝統工芸でもある紬生地を活かしこれらを文字盤部分に貼付するという、ユニークな製作実績もあります。

このように販売されてないユニークなデザインモデルを製作できるのは、オリジナル腕時計製作ならではの醍醐味といえるでしょう。

◆印刷で広がる! 世界にひとつだけのオリジナル文字盤

ここまで様々な文字盤の一例を紹介してきましたが、予算や製作期間を考えると中々難しいもの。それでも印刷方法を変えるだけで、デザインの幅はぐんと広げられます。

たとえばシンプルなデザインには単色が鮮明なシルク印刷、華やかでカラフルなデザインには、コストの面も考慮してインクジェット印刷、高級感を表現したいときには光沢のあるUPニッケル印刷を…というように、表現したいデザインに合せて印刷方法を変えることがポイントです。

世界にひとつだけのオリジナル腕時計、文字盤の素材や印刷方法にこだわってもっとクリエイティブに楽しんでみませんか。

(まとめ)オリジナル腕時計は文字盤から‐印刷方法や素材の違い

オリジナル腕時計の文字盤は、『ダイアル』や『フェイス』とも呼ばれ、腕時計の顔になる重要なパーツです。

文字盤に多い素材は真鍮素材やシェル素材で、高級なモデルでは金、プラチナ、宝石などの素材が使われていて、加工方法も幅広い種類があります。

オリジナル腕時計の印刷方法は、カラフルな表現が可能な『インクジェット印刷』や布目を利用した『シルク印刷』、印刷部分にわずかな厚みと光沢がある『UPニッケル印刷』などから選べる場合が多いでしょう。 文字盤のデザインだけでなく、印刷方法によっても個性を出せるところが、オリジナル腕時計の魅力のひとつです。

オリジナル腕時計展示棚の前にある時計を装着したスタッフの腕

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アクリル時計を持ってスタッフが立っている

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